隠れ貧血
隠れ貧血とは
隠れ貧血はフェリチンが15 ng/mL以下の状態です。
健康診断やクリニックで、ヘモグロビン値が低いとき貧血と診断されます。
(男性で13 g/dL以下,女性で12 g/dL以下で貧血)
隠れ貧血は、ヘモグロビン値が正常なのに、貯蔵鉄の量(フェリチン)が低下している状態です。
ヘモグロビン値が正常値でも貯蔵鉄の量(フェリチン)が減ると,鉄欠乏性貧血と同じような症状が出現します。
体内の鉄の減少は、貯蔵鉄の減少(フェリチンの低下)→血清鉄の減少→貧血(ヘモグロビンの低下)の順に進行します。
隠れ貧血の症状は、疲れやすい・息切れ・イライラするなどがあります。
鉄欠乏性貧血と同じ症状ですが、症状が軽いので経過観察にされます。
・体内の貯蔵鉄(フェリチン)が減少すると全身倦怠感や精神症状(不安やうつ状態)が生じます。
・筋肉のミオグロビンには鉄が必要です。鉄欠乏があると筋力低下や全身倦怠感を生じます。
・抗体や酵素の構成にも鉄が必要です。鉄欠乏があると免疫低下や活動力低下になります。
・セロトニンやドーパミンの合成にも鉄が必要です。鉄欠乏があると精神症状がでます。
フェリチンの基準値は,3~121 ng/mL前後です。
しかし、12~25ng/mLは貯蔵鉄の減少していると判断されます。
そのため15ng/mL以下は貯蔵鉄が少ないので隠れ貧血の症状がでます。
体内の鉄の減少は、貯蔵鉄の減少(フェリチンの低下)⇒血清鉄の減少⇒貧血(ヘモグロビンの低下)の順に進行します。
鉄剤を補充すると、血清鉄が増加⇒貧血も改善(ヘモグロビンの増加)⇒貯蔵鉄も回復(フェリチンの増加)します。
隠れ貧血(フェリチンが15 ng/mL以下)の方に鉄剤を服用することで全身倦怠感や息切れや精神症状(不安やうつ状態)が改善する報告があります。
隠れ貧血治療の鉄剤には、フェロミア(クエン酸第一ナトリウム)やフェログラデュメットがあります。
食事で鉄を摂取する方法が最も良いと思います。
動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」は鉄の吸収がよいので多く摂取しましょう。
植物性食品に含まれる鉄分は「非ヘム鉄」はビタミンCと一緒に摂取しましょう。
食品例
動物性食品のレバーやマグロやカツオなどの魚やアサリ・シジミなど
植物性食品の大豆製品や小松菜、海藻、ほうれん草 など
逆に、リン酸塩を多く含む食事の摂取で鉄の吸収が減ってしまうこともあります。
リン酸塩を多く含む食品例
ハム、ソーセージ、清涼飲料水、スナック菓子、インスタント食品 など
また、タンニンを多く含む食事の摂取でも鉄の吸収が減ってしまうこともあります。
タンニンを多く含む食品例
コーヒー、紅茶・緑茶・ワインなど
麦茶、ルイボスティ、玄米茶、ほうじ茶はタンニンが少ないとされます。