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XBB系統「グリフォン」の特徴について

XBB系統「グリフォン」の特徴について
新型コロナウイルス変異株の命名組織の一つであるPango(パンゴ)委員会が、

「X」で始まる名前は遺伝子組換えによって発生した変異株に付けるという命名規則としました。
「X」で始まる変異株は「組換え体」を表します。

「XBB」は「BJ.1」と「BM.1.1.1」という2つのオミクロン株の組換え体のことです。
*2系統のウイルスが1つの細胞に同時に感染した時、

細胞の中で2系統のウイルスの遺伝子が混ざりあって全く新しいウイルスが誕生します。これが、「組み換え体」です。

「BJ.1」はBA.2.10(BA.2株は「ステルスオミクロン」でした)の亜系統、「BM.1.1.1」はBA.2.75.3(BA.2.75株は「ケンタウルス」でした)の亜系統です。

その組み換え体である「XBB系統」は「BA.2株」「BA.2.75株」に似た性質を持ちますが、中和抗体(免疫)からの逃避能が高くなっている点が大きな特徴です。

そのため、再感染率が非常に高くなります。

 

現在世界で広がっている「XBB」の主系統は、「XBB.1.16」や「XBB.1.5(クラーケン)」です。

2022年後半から「XBB」がシンガポールなどで広がり、2023年になってからは「XBB」から派生した「XBB.1.5」が現在のアメリカや韓国の主系統です。

さらに欧米では「XBB.1.9.1」が増加しています。

「XBB」は、従来のオミクロンよりも免疫から逃れる性質が強くなっています。
また、「XBB.1.5」は「XBB.1」よりも相対的に1.2倍「実効再生産数」が高くなっていると報告されました。

「XBB.1.5」は「XBB.1」より感染力が3倍高く、免疫逃避能を保持しているようです。

*実効再生産数とは、「ある時点において1人の感染者が全感染期間に感染させる人数の平均値」を表す指標です。

「1」を上回ると感染が拡大に向かいます。「1」を下回ると収束に向かいます。

イギリスの保健安全保障庁によると「XBB.1.9.1」は、「XBB.1.5」よりもさらに感染者が増えやすいとのことです。