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血清フェリチン値が高値・低値のとき

フェリチンは、体内で鉄をためておく「貯蔵鉄」の役目をするタンパク質です。
血清フェリチンは、30-50(ng/ml)が必要で、およそ100-150(ng/ml)ですと安心です。
フェリチンは全身の各組織にありますが、血清フェリチン量が体内のフェリチン量に比例するので、血清フェリチンを測定することで体内の貯蔵鉄の量を考えることが出来ます。
通常、血清フェリチンは、鉄欠乏の貧血を診断するときに測定します。
実際、肝細胞や骨髄や脾臓のマクロファージ中のフェリチンはヘモグロビンの合成に必要な鉄の供給源になります。

血清フェリチンが低値のときは、貯蔵鉄の減っている鉄欠乏状態が考えられます。

鉄欠乏性貧血では、血清フェリチンが12-15(ng/ml)以下になりますが、50(ng/ml)以下でも倦怠感がでることがあります。

一方、血清フェリチンが高値のときは、体内に鉄が過剰にたまりすぎることで、便秘、吐き気、嘔吐などの胃腸障害がでますので、

ヘモクロマトーシス、ヘモジデローシスなど鉄沈着症による悪影響がでていることが考えられます。

他にも、貯蔵鉄とは関係なく、炎症疾患のときも血清フェリチンが高値になるため、肝炎や膵炎も考えられますし、

また、悪性腫瘍や白血病でも血清フェリチンが高値になります。

血清フェリチンが低値のときは、貯蔵鉄の減っている鉄欠乏状態を考えますが、
血清フェリチンが高値のときは、体内に鉄が過剰にたまりすぎたヘモクロマトーシス、ヘモジデローシス状態を心配しながら、

貯蔵鉄量とは無関係な病態である、悪性腫瘍・白血病・肝臓障害・心筋梗塞・感染症・炎症性疾患などを心配しています。