はやぶさ2の成果
はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウの物質の研究が2つの論文として「Science」に掲載されました。
① Soluble organic molecules in samples of the carbonaceous asteroid (162173) Ryugu
② Macromolecular organic matter in samples of the asteroid (162173) Ryugu
① リュウグウ試料中の可溶性有機分子に関する研究成果
有機分子からは2万種の化合物が発見され、またアミノ酸も23種類のアミノ酸も発見されました。
② 黒い固体有機物に関する研究成果
有機物は黒くて石炭のような固体有機物(一見生命に関係ないように見える)が占めており、この有機物が地球上の「生命の材料」としてもたらされたと考えられました。
太陽系を研究するうえで、生命起源を考えることは大切な意義があります。
初期の太陽系に生命の材料がもたらされた主流の説は、
「隕石や彗星が惑星に衝突した時に、生命の材料であるアミノ酸や塩基などがもたらされた」というものです。
しかし、今回の結果からは、
「生命を構成する成分とは無関係な複雑な有機物(前駆物質)が初期の地球に大量にもたらされ、
その後、地球上で化学的な変化・進化を経て、生命の材料として利用できる分子に変化していくことによって、
ハビタブル(生命が生存可能)な惑星を形成した」と考えられました。