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自然免疫で防御システムを高めましょう。乳酸菌、β-グルカン、ビタミン

ワクチン接種による獲得免疫は、ウイルスのカギ(抗原)を覚えておいて、そのウイルスが侵入してきたときに攻撃します。
免疫力を高める自然免疫は、ウイルスや細菌など種類を選ばず迅速に反応して攻撃します。
4回目のワクチン接種(獲得免疫)だけではBA5感染を防御しきれないので、手洗い・換気・密集をさけるなどの予防策と一緒に自然免疫による防御システムを高めておくことも大切です。

免疫機能を高めることは治療ではなく予防になります。

乳酸菌、β-グルカンやビタミンDなどの摂取により免疫機能を改善することが知られています。

「乳酸菌」により腸内環境が整うことで免疫力を高めます。(免疫調節作用腸管を介した免疫調節作用を有するプロバイオティクス=イムノバイオティクス)
また乳酸菌自体が一部の免疫細胞を活性化し免疫能を高める。(乳酸菌の属するグラム陽性菌の細胞壁にあるペプチドグリカンが「TLR2」というレセプターに結合してマクロファージを活性化)
また、プラズマ乳酸菌は、免疫ネットワークの上流に位置するプラズマサイト樹状細胞を直接活性化することで、その指示・命令により、免疫細胞全体が活性化され、インターフェロンα産生能を高めて外敵に対する防御システムが機能します。この作用で風邪やインフルエンザなどを予防することが報告されています。国立感染症研究所の細胞実験でプラズマ乳酸菌により新型コロナの増殖が低下したようです。新型コロナウイルスやインフルエンザ等のウイルスがすると、即座にインターフェロンが産生され始め、300種類以上ある抗ウイルスタンパク質(免疫能がアップ)を作ることが報告されました。長崎大学では新型コロナ患者に有効であるか調べる臨床試験を始めており2022年末にも発表される予定です。
プラズマ乳酸菌の2週間以上の摂取によってプラズマサイトイド樹状細胞が活性化しますが摂取を中断すると緩やかに低下することが報告されています。商品の例に「機能性表示食品」の「iMUSE」などがあります。

「β-グルカン」は、アガリスクや霊芝やマイタケやシイタケの様なキノコ類や酵母類、海藻類に多く含まれている食物繊維の一種ですが、免疫を上げる効果が報告されています。

「ユーグレナ」という商品は「作業時の一時的なストレス(イライラ感、緊張感)を緩和する機能」、「睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善する機能」として「機能性表示食品」として商品化されていますが、免疫機能も高めるようです。
「ユーグレナ(商品)」に含まれる「パラミロン」(β-1.3グルカンの一種)は鎖状のβ-グルカンが繊維状になったものですが、免疫を上げる効果が報告されています。免疫細胞の70%は腸内にいるとされています。パラミロンは、不溶性なので、その形状のまま腸内に到達すると考えられており、腸管に到達したパラミロンが腸内にある免疫細胞の受容体に結合することで他の免疫細胞と連携して免疫を常に保つ状態にすることで、感染リスクも低下すると考えられています。

リポポリサッカライド(LPS)は免疫細胞を活性化させることで有名です。LPSなど微生物由来の成分によって活性化される自然免疫に関する研究は、2011年にノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
リポポリサッカライド(LPS)は土の中にいる細菌由来の成分です。根菜や葉野菜や穀類や野菜、海藻などに多く含まれています。LPSは漢方薬にも多く含まれており、漢方薬「十全大補湯」についてはLPSの効果があるようです。LPSは、身体や顔など皮膚に塗る経皮摂取でも食事やサプリメント等による経口摂取でも効果と安全性が認められています。
加熱調理などによって細菌は死滅しますが、LPSは失われずに残ったままです。そのため、調理した食事からも自然にLPSを摂取することができます。

リポポリサッカライド(LPS)のは、マクロファージを活性化することで免疫を高めます。マクロファージは私たちの体内にあり自然免疫の中心的機能を持っています。マクロファージは体内に侵入した細菌やウイルスなどを死滅させるはたらきをする細胞で、自然免疫の中心的な役割を担っています。私たちの体内に病原菌や毒素などが取り込まれたとき必ずしも病気になるわけではないのは、マクロファージがこれらから身を守ってくれているからです。他にも、傷の修復を助けたり、新陳代謝の調節に欠かせない働きをしています。マクロファージを活性化するLPSは、感染防御、創傷治癒、代謝調節の機能を高めるとことが知られています。マクロファージの表面にはレセプターが多数存在しています。その中のTLR4というレセプターがLPSを認識すると、細胞核にシグナルが伝達されマクロファージが活性化します。
マクロファージが活性化すれば、病原菌などから私たちの身体を守る効果がさらに高まると考えられます。先の乳酸菌やキノコ類の成分も「TLR2」というレセプターに結合してマクロファージを活性化しますが、同程度のマクロファージを活性化するためには、ペプチドグリカンやβ-グルカンの量がLPSの1000~10000倍ほど必要です。LPSはマクロファージを強く活性化し病気の予防や傷の治癒に効果的です。根菜類などの野菜や海藻など食事で摂取しましょう。

ビタミン類(A、C、D、E)のなかでも、ビタミンDは感染予防に効果的と言われます。シイタケなどのきのこ類に含まれるビタミンD2(植物由来)と、鮭などの魚や卵などに含まれるビタミンD3(動物由来)があります。通常ビタミンは、体の中でつくることができないので、食品などから摂取しなければなりませんが、ビタミンDは、日光(紫外線)に当たることによって、80%~90%を体内でつくることができるという特性があります。干しシイタケ、サケやキクラゲ、ししゃも、しらすなどから摂れます。食材は天日干しすることでよりビタミンDが増えます。ビタミンDには細菌やウイルスを殺す「カテリジン」というタンパク(抗菌ペプチド)を作らせる働きがあります。また「β-ディフェンシン」という抗菌ペプチドを皮膚上に作らせ、皮膚のバリア機能を高めていることもわかっています。これらの報告から、免疫能を高めると言われています。
ビタミンA、Eは、粘膜をつくるために必要なビタミンで、ウィルスが身体に侵入しないよう防御に役立ちます。ビタミンAは鶏や豚のレバー、卵(卵黄)、ウナギ、ホウレンソウ、ニンジンなどに含まれ、ビタミンEは魚介類やナッツ類、アボカドなどに含まれます。ビタミンCは皮膚のバリア機能を正常にするために必要で、同様にウィルスが身体に侵入しないよう防御に役立ちます。ビタミンCはブロッコリー、フルーツなどに多く含まれます。