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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策について

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関して、問い合わせが多く、住民の方だけでなく医療現場でも不安が高まっているので、情報を整理しました。

2020年1月10日以前に感染者が国内に入っていた可能性が高く、既に国内は感染早期から流行期に入っていると言われます。そのため、今は重症感染者の早期発見、死亡者数の減少化が重要になっています。
医療現場は、新型コロナに対して2つの事ができません。
「診断できない」「治療できない」。感染しているか気になっても検査できない。
クリニックでは細菌感染・ウイルス感染・混合感染の見極めをしますが、現在のところ、新型コロナ検査はできません。保険診療にもなっていませんが、手順として、保健所に相談し、保健所の判断で検査をするルールとなっています。保健所から国立感染症研究所等で検査されます。しかし、現状では重症肺炎で入院している症例でもPCR検査できないこともあるくらいPCR検査処理数が追い付いていません。民間検査会社では1日1000検体のPCR検査が可能なので、今後、国から民間検査会社の許可が出たら、より多くのPCR検査数が可能です。それにより、患者数の絶対数も増えることが予想されますが、重症化予防、死亡者数減少、院内感染防止、市中感染防止などの対策がたてやすくなります。また迅速キットも開発されればクリニックで検査できるようになります。
新型コロナは、潜伏期の時でも他者に感染させるなどSARSのコロナとも異なる性質があると言われています。また新型コロナは鼻腔だけでなく気管でも増殖するようですので肺炎を発症しやすくなります。
新型コロナの感染経路はインフルエンザ同様に飛沫感染と接触感染があります。
飛沫感染は咳やくしゃみで唾液が飛ぶ2m以内で起こるため、咳の出る方はマスク着用が必須です。新型コロナはインフルエンザより長い5日後でも接触感染を起こすと言われるので、各施設でのドアノブや各種スイッチなどの消毒は必要ですし、外出時にドアを触った後は、顔(目・鼻・口・髪)に手がいかないよう努力することが大切です。手洗い(指・手のひら・甲・手首)が最も大切です。
現在、特効薬はなく、インフルエンザ治療薬(アビガン)やエボラ出血熱治療薬、HIV治療薬が試されています。健康意識を高めて、日常で手洗いを奨励し、風邪症状がでたら早期に治す。新型コロナを心配したらクリニック受診前に、まず保健所に電話相談することが大切です。PCR検査が普及し、万が一、新型コロナに感染したら、軽症者は自宅療養し、市中に感染拡大をさせないことが大切です。高齢者や基礎疾患(循環器疾患・脳疾患・呼吸器疾患・糖尿病・免疫低下など)の方々は風邪を早期に治療することで、地域全体の重症化予防、死亡者数減少、院内感染防止、市中感染防止につながると思います。新型インフルエンザ流行の時に、日本は世界でも死亡の少ない国として評価されました。健康意識を高めることで、自分への感染も防げますし周囲拡散を防ぐことも期待できます。