非結核性抗酸菌(NTM)
非結核性抗酸菌(NTM:Non-tuberculous mycobacteria)
非結核性抗酸菌症(NTM症)は、非結核性抗酸菌(NTM:Non-tuberculous mycobacteria)による肺の感染症です。
非結核性抗酸菌(NTM)は結核と異なる感染症の菌です。人から人に感染することはありません。
人に感染する結核菌が1種類なのに対して、非結核性抗酸菌(NTM)は180種類くらいあります。
日本の非結核性抗酸菌(NTM)は20種類くらいありますが、その中で一番かかる方が多い菌がMACです。
Mycobacterium avium complexというのでその頭文字を取って通称MAC(マック)と呼んでいます。
日本ではMycobacterium aviumとMycobacterium intracellulareが約90%を占めます。
非結核性抗酸菌症(NTM症)は特有の症状がありません。
気管支に病変を作るので咳や血痰をきっかけに発見されますが、症状がなくても、検診の胸部レントゲンやCT検査で偶然に発見されます。
痰の培養検査で非結核性抗酸菌(NTM)が発育すれば、非結核性抗酸菌症(NTM症)と診断されます。
結核は感染すると進行し高い熱を出し、まわりの人々にもどんどん感染して広がるため肺結核症は恐れられますが、肺結核症は原則約6ヶ月間、薬を飲めば完治します。
非結核性抗酸菌症(NTM症)はゆっくり進行します。非結核性抗酸菌症(NTM症)は3種類の薬を2~3年間くらい飲み続けることが必要です。
軽症の場合には、治療を開始せずに様子をみるだけの場合もありますが、いったん治療を開始したら続けることが大切です。
薬によって進行が抑えられ、肺の状態も徐々に改善されていきます。
痛みや命の危険などは、ほとんどない病気です。完全に治らなくても薬によって平均寿命まで過ごせる病気です。
ただし、肺NTM症が発見・診断された時に、発熱や呼吸困難があり、血痰や喀血などが続くような重症の時は入院になることもありますが、ほとんどは、外来通院で治療を行います
最近は、免疫力が正常な人に増加しています。
非結核性抗酸菌(NTM)は土壌、水系などに生息しますが人の住む環境のどこにでもいます。
週に2回以上、ガーデニングや畑作業をされる方は、土からの非結核性抗酸菌(NTM)を高濃度に吸うことで感染することもあります。
非結核性抗酸菌(NTM)は風呂のシャワーヘッド内や給湯器の配管や浴槽の排水口などに増殖していることが多く、
シャワー浴やシャワーで浴室を清掃する時に勢いよく使うシャワーにより発生するエアロゾルをヒトが吸い込むことで、
非結核性抗酸菌(NTM)が肺に侵入し非結核性抗酸菌症(NTM症)を引き起こすと言われます。
これが最も危険です。
非結核性抗酸菌(NTM)を増殖させないために、シャワーヘッドや排水口を定期的にアンモニア系消毒剤などで清掃し、浴槽の追いだき機能のフィルターなども定期的に交換することが大切です。
給湯口の表面を除菌しても配管の奥にいる菌の除菌は困難です。
予防には風呂場の乾燥が有効です。入浴を家族全員が済んだら湯を抜いて乾燥することが大切です。