新型コロナウイルス・ニンバスの感染について
当院では先週インフルエンザA型が4名検出されましたが流行ではなさそうです。
一方、新型コロナウイルスの感染の通称「ニンバスnimbus」が流行しています。
ニンバス(NB.1.8.1)という呼び名は、ラテン語のnimbus「雨雲」「大群」「豪雨」に由来するそうです。
WHO(世界保健機関)による命名ではありません。
ニンバスこと、オミクロンNB.1.8.1株は、オミクロンXDV株から派生した変異株ですので、オミクロン変異株の子孫です。
*オミクロンXDV株はオミクロンXDE株とオミクロンJN.1株の組換え体です。
2025年冬に新型コロナウイルスはインフルエンザと同時流行し、その後、日本では収束しましたが、
世界では新型コロナウイルスの新株が次々と派生していたようです。
オミクロン変異株の子孫で、「XFG株」はアメリカで流行、「ニンバス(NB.1.8.1株)」はアジアで流行していますが、
他にも子孫は「LF.7」「LF.7.2.1」「LP.8.1」「LP.8.1.1」が派生したようです。
ニンバスはヒトの細胞の表面にある「ACE2受容体」に結合する力が強いため細胞に侵入しやすく、
また、過去の感染やワクチン接種によって獲得した免疫をすり抜ける免疫逃避能もあるようです。
そのため感染拡大になっているのだと推測されます。
これまで、ニンバスの患者で報告されている症状は
強い咽頭痛、38度以上の発熱、咳のほかに、頭痛や関節痛があるようです。
当院を受診されたコロナ患者の症状とも一致しています。
お盆や夏休み期間で増えたニンバスの感染者は9月まで流行が予測されています。
基本的な防御である、手洗い、うがい、換気、人込みの中でのマスク着用が大切です。