ラムゼイ・ハント症候群
ラムゼイ・ハント症候群
1907年にJames Ramsay Huntが報告しました。
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)により、突然に顔面神経麻痺などの症状がでます。
片方の目が閉じない、左右の眉の高さが違う、顔がゆがむ、口角が下がって口が閉じない、口から唾液が漏れる、味がわかりにくい、
などのほか、耳鳴り、難聴、めまいの症状がでることもあります。
麻痺は徐々に改善しますが、顔面拘縮が残ることもあります。
幼少期に感染した水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は口腔粘膜の水痘(みずぼうそう)発疹として出現しましたが、
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は顔面神経の膝神経節に潜伏し続けます。
成人~中年期において、過労やストレスなどで免疫力が低下すると再活性化します。
再活性により顔面神経炎が生じて神経は膨張し、骨性顔面神経管の中で神経が骨に圧迫されることで顔面神経麻痺(表情筋運動障害)を発症します。
この経過と症状で、ラムゼイ・ハント症候群と診断されます。
初期治療は、ステロイドと水痘帯状疱疹ウイルスに対する抗ウイルス薬を併せて投与します。
治療は発症からできるだけ早く開始するほうが良いです。
顔面神経麻痺に対しては、顔の筋肉のマッサージをしたり、運動訓練などのリハビリテーションを行います。