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カビについて

梅雨時期に入ろうとしています。青カビ、赤カビ、黒カビなどが日常みられますが、高温多湿になりカビ毒による病気が増えます。
カビは梅雨時期だけでなく低温、酸性など環境でも生えるため、1年中問題になります。

カビは病原真菌として真菌症という感染症を発症させることがあります。

また、カビ毒(マイコトキシン)により食中毒や癌を発症させる事があります。

カビ毒(マイコトキシン)は世界で300種類以上報告されています。

カビ毒(マイコトキシン)は熱に強く、加工調理や加熱調理で分解されません。

カビの生えた部分を除去しても食品全体がカビ毒で汚染されているので、カビの生えた食品は摂取しないようにしましょう。

 

食品には、コウジカビ(アスペルギルス)・青カビ(ペニシリウム)・赤カビ(フザリウム)・クロカビ(クラドスポリウム)、ケカビ(ムコール)などが発生します。
また、カビは色素を産生し、青色、赤色、黒色のほかに橙色、褐色、赤褐色、黄褐色、黄色、淡黄色、紫紅色等があります。

カビの胞子は黒、黒褐色、褐色、緑色および白色です。

 

有害なカビもありますが、生活に役立つカビもあります。
〇役に立つカビ
コウジカビ(アスペルギルス)は、清酒、焼酎、みそ、しょう油などの製造に使用されています。紅麹カビは、黄色素や赤色素を産生し、食品添加物として使用されています。
青カビ(ペニシリウム)は、ブルーチーズやカマンベールチーズなどの製造に使用されています。また、抗生物質である「ペニシリン」として医療に役立っています。
〇害になるカビ(カビ毒:マイコトキシン)
・アフラトキシンは、コウジカビ(アスペルギルス)の一部の種類が作るカビ毒で、発ガン物質です。天然の物質としては最も発がん性の高いものです。輸入されたピーナッツやピスタチオなどのナッツ類、とうもろこし、乾燥果実などの一部に発生することがあります。
・トリコテセン系マイコトキシンは、赤カビ(フザリウム)の一部の種類が作るカビ毒で、悪心・嘔吐・下痢・腹痛を発症します。麦やトウモロコシの一部に発生することがあります。
・オクラトキシンAは、コウジカビ(アスペルギルス)や青カビ(ペニシリウム)の一部の種類が作るカビ毒で、腎臓や肝臓に障害を起こします。穀類や豆類の一部に発生することがあります。

青カビ(ペニシリウム)は、常に胞子が空中を浮遊しています。
青カビの種類によって有害なものと無害なものがあります。
青カビ自体は病原性がないとされていますが、青カビが生えた食物を摂取するとアレルギーや喘息を引き起こすことがあります。
青カビ全体的に生えているブルーチーズ(ゴルゴンゾーラなど)は無害です。
これは、チーズに含まれるアンモニアによって青カビが発する有害物質が分解されて無害になるからのようです。
パン、みかん、お餅などに生える青カビにはカビ毒を作り、腎臓がんや肝臓がんの原因になることもあることから注意が必要です。
青カビが出す「パツリン」と「ペニシリン酸」という代謝物は、発ガン性があるとされますが、チーズに利用される青カビの種類は「パツリン」が作られないそうです。

黒カビ(クラドスポリウム)は室内のいたる所に存在し、カーテンや押し入れ、エアコン、浴室等によく発生します。
空気中やハウスダストにもたくさん存在しているため、喘息やアレルギーなどの健康被害の原因になる可能性があり注意が必要です。
黒カビは生命力が強いので、生えてしまうと、完全に除去するのが困難です。
表面を拭き取っても、菌糸が根を下ろしているためすぐに生えます。
カビ毒の中でも毒性が強いものがあり黒カビは注意が必要です。ホコリなどに付着して空気中に浮遊し人が吸い込んでしまいます。
黒カビの一種であるエクソフィアラ(不完全菌類)は浴室に生えることが多く、手や足の皮膚の傷口から感染すると皮膚で炎症を起こして、血液内に入ると脳や他の臓器に侵入し、脂肪することもある危険なカビです。また、スタキポトリスは屋内の壁や壁紙に生えますが「ブラックモールド」と呼ばれ危険なカビです。

赤カビ(フザリウム)は土壌に多く生息し、麦やトウモロコシに生えます。赤色だけでなく、桃色、紫、薄黄色などの色があります。

パンやごはんなどの赤色は赤カビです。エアコンのファンやフィルターなどにも生えます。

赤カビのカビ毒(マイコトキシン)が付着した食物を接触すると、嘔吐や下痢などの食中毒症状を引き起こします。

赤カビの生えた食物は絶対に摂取しないようにしましょう。

お風呂の床に発生するピンク汚れは、赤カビではなく赤色をした酵母(ロドトルラ)です。掃除をすれば除去できます。

プベルル酸(puberulic acid)は、1932年に青カビの一種(Penicillium puberulum Bainier)において、ロンドン大学で単離・同定されたそうです。

このカビは、「ヒアシンス緑かび病」の原因(青緑色~灰緑色のカビ)としても知られているようです。

カビの名前「puberulum」に由来しており、ラテン語で「綿毛」のことのようです。

プベルル酸の化学構造は、七角形の炭素環を中心としたトロポノイドの一種です。

青カビが有毒のプベルル酸を産生する理由の一つとして、他の動植物に対して「毒」として作用することで生存競争に勝つためと考えられています。