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マダニによるライム病や日本紅斑熱とSFTS

マダニによるライム病と日本紅斑熱とSFTS
ライム病は、USAコネチカット州のライム地方で発見された病気です。
野生のマダニ(シュルツェマダニ)によって病原体が媒介され人に感染します。
このマダニは、日本の北海道や本州の標高1,000m以上の高地にいます。
5~7月頃の山歩きなどにより、病原体のスピロヘータ科のライム病ボレリア(Borrelia burgdorferi sensu lato)を保有するマダニに咬まれることによって感染します。ライム病の人 から人への感染はありません。
潜伏期は1カ月ほど。その後、赤い発疹、全身倦怠感、関節痛、全身の痛みが現れます。 悪化すると、脳障害や心臓障害がでて重症化すると死に至ることもあります。また治療後も発疹や関節痛などの後遺症が残ることがあります。
ライム病の治療には、抗生物質が有効です

日本紅斑熱は(リケッチア・ジャポニカ)は、野生のマダニ(キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマアラシチマダニ等)によって病原体が媒介され人に感染します。
このマダニは、西日本各地、東日本の約半数の地域にいるようです。
病原体の日本紅斑熱リケッチア(リケッチア・ジャポニカ)を保有するマダニに咬まれることで感染し、重症化すると死に至ることもある感染症です。
日本紅斑熱の人 から人への感染はありません。
潜伏期は1週間ほど。その後、高熱、発疹(ダニに咬まれた部分が赤く腫れる)、また発疹の中心部がかさぶたになるなどの症状がみられます。紅斑は痒くなく、痛くもありません。重症化すると死に至ることもあります。
日本紅斑熱の治療には、抗生物質テトラサイクリンやニューキノロン薬が有効です。

野山などマダニがいる地区に立ち入るときには、長袖・長ズボンを着用しサンダルを避けて靴を履くなど肌を出さない服装をすることが大切です。

万が一、マダニに咬まれたらマダニを無理に引き抜こうとしません。自分でする場合には、ピンセットを用いて皮膚に近い部位でダニをつぶさないようして取り除きます。皮膚に一部が残ることが多いので病院で取ってもらうことをお勧めします。

他にも、マダニが媒介するウイルス感染症には、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)もあります。病原体のSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることによって感染します。SFTSの人 から人への感染はありません。潜伏期は1~2週間ほど。発熱と消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)で、意識障害や咳や下血などを起こすこともあり、重症化すると死に至ることもあります。

SFTSには有効な治療法はありません。対症療法が主体になります。抗ウイルス薬「アビガン」が治療薬として承認されると思われます。