肺がんの治療
肺がんが発見されたら急いで精査と治療が必要です。
手術を受けられる条件は、
・がんが片側の肺にのみあること
・リンパ節への転移がないこと(または、がんの近くにリンパ節転移があるのみ)
・手術に耐える十分な体力があること
などを満たしたときです。
最近の薬物療法は、手術の前後に薬を投与する周術期治療をするようになりました。
進行がんの治療や手術後の補助療法だけではなく、周術期治療も選択肢となりました。
肺がんの細胞には遺伝子型があります。遺伝子型を調べる必要があります。
治療薬のひとつである「分子標的薬」は、特定の遺伝子型をもつ細胞に作用することで消滅させたり増殖を抑えることができます。
「分子標的薬」は、抗がん剤と比較して、正常な細胞への副作用も少ないとされています。
肺がんの遺伝子型は、がん組織を採取して顕微鏡でみる遺伝子検査でわかります。
9つの遺伝子型が知られており、肺がんのおよそ40%がこの9つの遺伝子型に当てはまります。
その中でEGFR型は、肺がんのおよそ25%を占めます。
EGFR型の肺がんは進行しやすく、早期に肺と異なる臓器に転移しやすいことが知られています。
遺伝子検査をされたら、EGFR型かどうかの確認が急がれます。
EGFR型に対する分子標的薬は次々と進歩しています。
9つの遺伝子型には、EGFRとALK(アルク)がありますが、
どちらでもない場合、治療薬のひとつである「免疫チェックポイント阻害薬」が治療の選択肢になります。
「免疫チェックポイント阻害薬」は、手術前に投与する薬や手術後に投与する薬などが次々と開発されています。