ファンコニー症候群
ファンコニー症候群は腎臓の病気です。
腎臓内にある尿細管は、血液内の物質の中にある老廃物を尿排泄する際に、
ブドウ糖やアミノ酸、ミネラル(リンなど)、水分が体から排泄されないように体内にもう再吸収する役割があります。
この尿細管には遠位尿細管と近位尿細管がありますが、ファンコニー症候群は、近位尿細管での再吸収の作用が機能しなくなる病気です。
腎臓の障害(特に尿細管の障害)は症状が出にくいとされますが、
近位尿細管の障害が長く続くと、食欲不振や嘔吐、脱水や脱力、手足のしびれが起こる可能性があります。
近位尿細管では、ブドウ糖やアミノ酸、リン、尿酸、重炭酸が再吸収されますので、
再吸収が機能しないと、特に重炭酸不足による体内の酸性化(アシドーシス)が生じます。
体内の酸性化により、食欲不振や嘔吐、脱水や脱力などの症状が生じます。
ミネラル(カリウム・ナトリウム・リンなど)バランスが乱れると手足のしびれも生じます。
ファンコニー症候群の原因には、遺伝性と後天性があります。
そのうち後天性の原因には、血液病気や膠原病や、
薬(抗生物質や抗がん剤、漢方薬など)や工業物質(重金属や有機溶媒など)による中毒などがあります。
ファンコニー症候群を診断するには血液検査や尿検査が大切です。
血液検査では、高濃度のブドウ糖、カリウム、ナトリウム、尿酸、リン酸塩が検出されます。
また、尿検査では、糖尿やアミノ酸尿、リン酸尿が検出されます。