「生食用牡蠣」と「加熱用牡蠣」の違い
生食用牡蠣と加熱用牡蠣の違い
牡蠣料理は美味しい食材です。家庭で料理するときは「生食用」と「加熱用」の牡蠣を選んで食べるようにしましょう。
牡蠣を「生」で食べる時は、「生食用」を選ばなければなりません。「加熱用」牡蠣を生で食べないで下さい。
「加熱用」牡蠣を生で食べると下痢になることがあります。
「生食用」と「加熱用」の違いは、鮮度の差ではなく指定海域の差で区別されています。
「生食用」は、保健所で定められた海域に限定されています。
「生食用」は、保健所から水質が基準内で安全だと事前に指定された海域で獲れた牡蠣です。
「生食用」は、2-3日間の滅菌洗浄(紫外線やオゾン殺菌された海水を使って牡蠣の中腸線のウイルスを排出する措置)も行われています。
また、「生食用」の規格基準は、一般生菌:5万以下/g、大腸菌群:230以下/100g、腸炎ビブリオ:100以下/gとなっており、
「生食用」の保存温度は、10℃以下にしなければなりません。(*「生食用冷凍」牡蠣は、-15°以下で保存しなければなりません)
指定した海域以外で獲れた牡蛎は「加熱用」として出荷されます。
保健所が定期的に水質を検査し、基準に当てはまらない場合、 その海域で獲れた牡蠣は「加熱用」とされるのです。
「加熱用」牡蠣を食べる時は、保健所の規定により、中心温度85度1分以上の加熱が必要とされています。十分な加熱が必要です。
「加熱用」牡蠣は、生では絶対に食べないで下さい。
十分な加熱されたカキフライやお鍋で食べる牡蠣は安心して食べることができますが、貝毒があることも知っておきましょう。
貝毒は加熱しても毒性は変わらないため、食べているときに異変を感じたら、すぐに食べるのをやめましょう。
貝毒は、貝(牡蠣やアサリ・ホタテなどの二枚貝)が、毒を持ったプランクトンを食べ体内に濃縮・蓄積してしまった毒素のことです。
貝毒による症状には麻痺性の症状と下痢性の症状があります。
麻痺性の症状は、唇や顔面、手足のしびれや頭痛、めまいがあり、下痢性症状は、下痢や吐き気、嘔吐があります。
下痢性の場合は食後約30分から4時間以内に症状が発症します。下痢症状の改善に3日間かかります。
牡蠣を食べるときは10個/日までが良いとされます。
牡蠣1個あたりに含まれる亜鉛含有量は約2.8mg/個、プリン体含有量は約37mg/個とされています。
亜鉛の推奨摂取量が1日45mg以下で、プリン体の推奨摂取量が1日400mg以下ですので、1日の牡蠣の摂食量は10個までなら安心と思われます。
牡蠣はプリン体を多く含む食品になりますので、高尿酸血症や痛風の方は、牡蠣の食べ過ぎに気をつけましょう。